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2024.03.30

24SS Materials 5

DEAD STOCK “DUNGAREE”

限りのあるストックだったので、アイテムは生地との相性がばつぐんの直球ワーク2型のみ。KLASICAでは少なめなヴィンテージソースからのダイレクトな移植のモデル。この生地はお世話になっている岡山にある縫製工場のバックヤードから発掘したもので、そんなに古くはないらしい。バリバリっとした質感のかなりハードな状態で眠っていた。現場では「ダンガリー」という通称であったので、あえてそのネーミングを採用した。(実際は「シャンブレー」が正しい。)ネイビーより一段薄いダークブルーのロープ染色と生成の交錯。

時代的には90年代と思われるとのこと。初期であるならば様々なレプリカジーンズ勃興期の日本で、ヴィンテージの体系のリサーチや、当時のデニム素材そのもののナノレベルでの解析がさまざまなアプローチから検証されていたころ。その中で産み落とされた一つなのでは…?とみています。バリバリの質感から想像されるとおり生地の縮率はキバタ並の不安定さで、型紙へ反映させる加減はだいぶ悩んだ。

トップスにはフランスの電気工が使っていたとされるワークジャケット。もとはダック素材でブラウンだったりオリーブよりのカラーだったり。ここ10年来人気のモールスキンジャケットの裏で、ひっそりと存在してるモデル。これには揃いのパンツもあり、セットアップで着ると感じるのが、セパレートのジャンプスーツに似てること。オーバーサイズ気味のパターンからも多分そんな存在だったのではと想像される。結構ラフな作りだったから、丁寧にラインを取り直しつつ元のバランス感は最大限に残すようにした。馴染みやすいように肩あてとフロント比翼は省略した。ワイドアームのアンバランスな可愛さや、大ぶりで立ち上がりの強い衿が際立つ。

パンツはKLASICAでラフな一本といえばのBEAUFORT。5pktのシンプルなモデル。ビッグサイズのモールスキンパンツのテーパードラインをひろいつつ、デザインは現代的でシンプルなものをイメージして、微細な配置やポケットのサイズを調整しながら生まれたモデル。

縫製はどちらも巻縫を用いた、オーソドックスなワークウェアの縫製に則っています。縫製はコアヤーン糸と呼ばれる、綿糸の芯にエステルを仕込んだ強度確保とイイ褪色を両立しているもので。ボタンはデッドストックのキャストアルミボタンをランダムに。

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