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2024.03.19

24SS Materials 3

KLASICA では初となるプリントマテリアルシリーズ。この春夏のキービジュアルになっているグラフィックが載る。

このモチーフは “Piles” シリーズとして撮影を続けるフォトグラファー、Yas Matsumoto 氏の作品。( https://www.one-big-tree.com/piles )

出会いはシンプルにインスタグラムで作品を見たことからで、半年後か一年後かな、個展のタイミングでやっと出会えた。土地/ 時間/ 季節を渡って撮影された作品は独自のレシピで仕上がることもそこで初めて分かった。

木製の巨大な8×10のカメラで写し取られた森の光景は、湿板写真の特徴でもあるガラスに写し取られる。印画紙に焼かれたその写真は一度、等分に裁断されパズル状になる。そしてそれらは撮影地で採取された土や泥で文字通り「煮込まれる」工程を経てから再度、定位置に戻ることで、独自のトーンをもった作品となる。全くデジタルな要素が介在しない工程だけだった。

知るはずのない森なのだが、なぜかそこに立っているような感覚。そして一人、その森に飲み込まれそうな畏怖の感覚をもちながら静かに呼吸している。

SSシーズンによく思うのが、高揚感に潜む冷たい一瞬の感覚。「楽しい」だけじゃないよねと天邪鬼な感性が毎年顔をのぞかせる。彼の作品からもそんな気配を感じて即、作品をコレクションにつかわせてくれないかとお願いした。そこから今季のコレクションタイトルも生まれた。

初のプリントは京都にある 大本染工 社にお願いした。あまりもインクジェットプリントの知識のない私は、いただくアドバイスを理解しようと頑張ってみたもののそんなに簡単な訳もなく、大半リードしていただきながら完成。染めムラのトーンや色の諧調も美しく再現されて、まさしく”piles” がテキスタイルになった。ベースはコットン66レーヨン34のプレーン。

今季の柿渋やペーパーにいれた掠れた色は、実際このシリーズがキーとなっていたのかもしれないと今は思う。 そして相性がよかった。

素材感に合わせて、軽めのアイテムでシリーズ構成した。シャツはもちろんよかった。意外だったのはボトムとの相性のよさだった。シンプルなジャケットやteeと合わせたりしても(ライダースも似合いそうだな〜)変化が生まれていい。KLASICAのこれまでのシーズンのものともきっと合う。今季のルックはブラウンベースにスタイリングしてるものの、この”piles”に含まれる闇のような黒をキーにしてもよさそう。

(インラインにはなかった別注アイテムがGWにリリース予定。詳細はまた。)

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